むらら図書館長「村正」
by muramasa666
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短編小説『冥府からの呼び声』

思いもよらないこと、というのは人生のうちで一度や二度はあるものだ。

たとえば、気まぐれに買った宝くじが大当たりをするとか。

確立は面白いもので、0%でない限りは『起こりうる可能性ができる』ということだ。

すなわち、低確率というのは起こらないことではない。
低い割合で、必ず起こるということだ。

その時の俺は、確かに低確率をど真ん中でぶち抜いたってことなんだろうが・・・。



ふよふよと浮かんでいる俺。
別にワイヤーで釣っている訳でもない。それにここは屋外だ。頭にお花畑があるわけでもない。

浮いている、確かに浮いている。

はてと少し考えてみる。
俺は空気より軽いようなビックリ人間コンテストに出た覚えもないし、今の今まで浮いたことなどなかった。
しかしどうして、今は浮いていられるのか。


そして俺はある結論に達した。


「そうか…俺、浮空術を使えるようになったんだ」

そのうち瞬間移動とか髪を逆立てたりとか、金色になったりするのに違いない。

俺はうんうんと頷きながら一人納得していると・・・。

「あー、君。ちょっといいかな」

スーツ、眼鏡とおまけにカバン。
どれをとっても「オッス、おらサラリーマン、いっちょ通勤いってくっか!」みたいな空気を全体からかもし出している。

別段、町に出れば五万といるサラリーマン。
しかしここは町の上空である。
空を飛ぶサラリーマン。
なるほど、コイツは・・・。

「す、スーパーサラリーマン…?」

ずるっ。

あ、コケた。

「私はサラリーマンなどではない・・・。君はアニメの見過ぎですよ。私はね、こうゆうものです」

と名刺を差し出してきた。

ヨモツヒラサカ(株)
冥府本部 水先案内課
村山 正志

「ムラヤマさん、ですか」

「そ、課内ではムヤラマ マサシだから苗字と名前をくっつけてムラマサさんって言われてますけどね」

「へぇ・・・、それでそのムラマサさんが何のようッスか」

「えーっと君、その、何か感じないのかい?」

「別段。何も変わったことは・・・」

「君の今の状況!変わってるだろ!浮いてるんだぞ!」

「ああ、俺は実はスーパーサ○ヤ人だったんスよ」

「そのネタはもういい!」

「ち、違うんですか」

ムラマサさんは頭を抱えている、サ○ヤ人でもないとなると・・・。

「ああ、わかりました!」

「わかってくれたか!」

「俺は・・・、ナメック星人d」

「ちげーよ! ナメックじゃねぇよ!
 肌が違うだろ肌が!触覚もねぇよ!腕も生えねぇよ!」

「だったら・・・サイ」

「だからサ○ヤ人じゃねぇっつってんだろ!」

すっかり肩で息をしているムラマサさん。
おほんと咳払いをすると。

「…これから君の見ることは正直ショックを受けると思う」

「ムラマサさん…」

「…なんだい?」

「急にシリアスになると読者が困るんじゃないですか」

ずる。
またコケた。

「はぁ・・・、いいから黙って下を見てみなさい」

言われたとおり見てみる。
考え事したり、話したりしていたせいかまったく気づかなかったが、結構大騒ぎになってる。

遠くからはパトカーか救急車か消防車かのサイレンが聞こえてくる。

来たのは救急車だった。

大勢いる群集をかき分けてたどり着いた先は・・・。

「おっぱぶ…」

「じゃない!その前!おっぱぶの前!」

前には人が倒れている。
側に看板が落ちていることから、不運にも取り付けてあった看板が落下してその下敷きになったようだ。

しかし、その倒れている男に見覚えがあった。

「あ、あれは・・・」

俺だ!

「つ、つまり・・・あ、あいつは・・・」

「うむ、そういうことだ」




「俺の・・・そっくりさん」


ずるっ。

本日三度目のムラマサがコケた音だった。
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by muramasa666 | 2007-02-04 12:35 | 五階 『ものがたり』
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